国税庁は、「定年引上げ後、退職金を旧退職年齢である60歳の時点で支給する場合の退職所得控除適用の可否に関する疑義照会」を掲載した。
回答として、定年延長前から入社していた社員については、旧定年時点で退職金を支給したとしても退職所得控除の適用ができるとした一方、定年延長後に入社する従業員に対するものについては、既に定年の延長が就業規則等で決定した後に雇用されることから、雇用の開始時点で引き上げ後の定年を前提として採用されるため、所得税基本通達30-2(5)は適用されず、退職所得として取り扱われるとは限らないとしている。
今後、人材不足や70歳雇用時代への対応、同一労働同一賃金対策などにおいて、定年の引き上げを検討される場合に参考になります。
なお、この回答は、熊本国税局としての見解ですので、実際に取り扱う場合は必ず所轄の税務署や顧問税理士等に確認して下さい。
詳細は下記サイトをご参照ください。
■定年を延長した場合に従業員に対してその延長前の定年に達したときに支払う退職一時金の所得区分について―国税庁
http://www.nta.go.jp/about/organization/kumamoto/bunshokaito/gensenshotoku/001/index.htm