淀川労務協会の三浦です。
先日、今年1月に生まれた長男のお礼参りに摩耶山天上寺に行った時のこと。
読経の後、お坊さんが私どもにこんなことをおっしゃりました。
「お家で空気清浄機をつけっぱなしにしていませんか? ダメですよ。空気の綺麗なところで子供を育てると免疫力が低下するそうです。 早い時期にいろんな菌が蔓延している動物園にお子さんを連れて行ってあげるとよいそうです。」
ちょうどその週のニュースで、「家庭で犬と一緒に育った乳児はそうでない乳児と場合と比べて耳やのどの感染症になりにくい」というフィンランドの研究チームの調査成果を目にしていたので、なるほどなぁ・・とすんなりお坊さんの話を受け容れることができました。
「人間が環境に順応する」とする1つのケースでしょう。
この話と少し類似するのですが、昨今問題となっている「新型うつ(主に“うつ状態”と診断されるもの)」の罹患者の割合は、大企業や公務員ほどその比率が高いそうです。
勘の良い方はお分かりでしょうが、これらの労働者の多くは、例えば休職しても数か月は給与が満額支給されたり、その後も数年間に渡り給与が80%以上支給されたりします。
更には復職して一定期間が経過すると休職実績が一度クリアされ、再度長期間休むことが出来る場合もあります。
勿論、こればかりが新型うつが拡大した原因ではありませんし、「新型うつ = 甘え」と言っている訳ではありませんが、行き過ぎた労働者保護、行き過ぎた働きやすさがその拡大の一役を担っている事は否定出来ないでしょう。
労働環境の整備の場面では、「使用者の権限を認めすぎたために生じる問題」や、「労働者の権利を認めすぎたために生じる問題」が、労使トラブルとして顕著に現れることがあります。
とても難しい事ではありますが、顧客からご相談頂いた1つ1つの労務問題(トラブル)をピンポイントに解消してオシマイではなく、なぜその問題が起こったのかという観点から組織や労使関係の全体最適を外部の立場から検証・追及し、これまでの経験をもとに顧問先企業を「労務問題の起こりにくい組織体質」に整えていくことを自身の仕事の理想としなければならないと私は考えています。