業務部の松井です。
国際労働機関(ILO)が「ディーセントワークへの障害者の権利」を2003年に刊行しており、日本ではこの障害者権利の批准に向けて、2011年8月に障害者雇用基本法が改正されました。
タイトルにある「ディーセントワーク」とは、「働き甲斐のある人間らしい仕事」、もっと詳しく言うと「労働者の権利が守られ、人間らしい生活を継続的に営める人間らしい労働条件のもとで行う仕事」という意味です。
障害者雇用は来年4月から法定雇用率が2%になり、つまり50人以上の企業は最低1人雇用することが義務付けられることになります。
また法定雇用率を満たさない企業が納める納付金制度の適用が、2010年7月から201人以上の企業になっており、さらに2015年7月から101人以上の企業に拡大されます。
障害者雇用は、企業の社会的責任が強く求められるようになってきており、大企業を中心に整備されつつも、中小企業におきましてはまだまだ進んでいないのが現状です。
この法定雇用率と納付金の制度ですが、障害者雇用者数を増加させることに関しては、全く効果がないわけではないかと思いますが、職場環境を改善したり、労働条件を向上させないと、障害者のディーセントワークに繋がっていかないと思われます。
企業は義務として障害者を雇用する、しかしながら定着しない。
義務であるからまた雇用する、やはり定着しない。といったことが繰り返し中小企業では起こる可能性があります。
企業も、障害者が定着し、ディーセントワークを満たすためには、どのようにしていけばいいのかわからないといった悩みもあるかと思われます。
一方、障害者をたくさん雇い、ディーセントワークを築き上げている企業もあります。
そのような成功している企業の例を、たくさん情報共有していくことがこれからはもっと必要であり、理論云々よりも実務的な成功事例をさらに数多く作っていくことが必要だと思われます。