業務部の松井です。

 コンピューター社会になり、何をするにしてもコンピューターで管理や分析ができ、シミュレーションができる世の中になりました。
 例えば戦争にしても、別の安全な場所に居ながら無線で戦闘機を動かし、モニターを見て爆弾を落として敵の基地を破壊し、機関銃を発射して敵を殺すことができる時代です。
 まるでテレビゲームをしているように本当の戦争ができるわけです。
 しかしながらいま強く求められているのが、現場主義です。
 東北大震災で、想定外であったという言葉が頻繁に使われました。
 現場主義に徹していれば、震災での想定外の事項も見えていたのではないかと言われています。
 実態に即した問題解決を図るには現場主義に徹することが必要です。

 かつてある立食の懇親会の場で、厚生労働省(当時は労働省?)から出向で職安に来られている官僚の方と話をする機会がありました。
 話しの内容は、離職票におきまして、賃金と離職理由について相違ない場合、本人の署名をもらう欄ができたことについて、以下のやり取りをしました。

 「賃金の金額の確認について退職する者から署名をもらおうとしたら、退職後給与計算をして賃金が確定した後に離職票を作成するので、その時には本人はもういないのですぐに署名がもらえないです。非常にやりにくくなります。何とか改善していただけないですか。」
官僚の方
 「署名は本人がいる間にもらえばいいのでは。給与は月給者なら決まっているから離職票の賃金欄もあらかじめ記載しておいて、退職までに本人から署名をもらうようにすればいいのでは。」

 「でも月給者ばかりではないですよ。パートで時給者もいます。そうなると退職日の勤務終了後にすぐに給与計算をして、離職票をその日に作り、そしてその場で署名をもらわないといけなくなりますよ。現実的には難しいです。」
官僚の方
 「では退職した次の日以降に離職票を作成し、再度署名をしてもらいに来ていただいたらどうですか。」

 「いったん退職した方が又すぐ次の日とかに来てもらうことは難しいですよ。円満退職ならいいのですが、自己都合退職でも円満でない場合や解雇などでしたら、再度すぐに会社に来てもらうのは現実的でないですよ。となれば郵送して返送してもらうしかないわけで、そこから職安に持って行きますので離職票の作成が非常に遅くなりますよ。非常に不便です。」

 というようなやり取りをしました。
 私が感じたのは、「官僚の方は現場のことをわかっていないな。」ということでした。
 会社も役所も現場主義が今ほど問われているときはないかと思われます。
 現場主義に徹してみましょう。