業務部の木村です。
厚生労働省は、労働者の健康状態を把握し、労働者がメンタル不調に陥る前に対処することを目的とし、ストレスチェック制度を盛り込んだ「労働安全衛生法の一部を改正する法律案」を今通常国会へ提出しています。
本法案は、国会提出に至るまでの審議過程においていくつかの修正が行われており、今後の審議においてもさらなる修正が入る可能性がありますが、近年の精神障害の労災認定件数の増加傾向を鑑みると、本法案の成立はほぼ確実かと思いますので注視が必要です。
現時点において、法案に盛り込まれているストレスチェック制度の概要は次のとおりです。
・労働者の心理的な負担の程度を把握するための、医師、保健師等によるストレスチェックの実施を事業者に義務付け。ただし、従業員50人未満の事業場については当分の間努力義務とする。
・ストレスチェックを実施した場合には、事業者は、心理的負担の程度が一定の要件を満たした検査結果を通知された労働者の希望に応じて医師による面接指導を実施し、その結果、医師の意見を聞いた上で、必要な場合には、作業の転換、労働時間の短縮そのたの適切な就業上の措置を講じなければならないとする。
昨今のメンタル不調者の増加は、必ずしも会社における業務だけが要因であるとは言えず、プライベートの出来事や心配事などが複合的に絡まり合って発症することも多いと思いますが、実際に従業員がメンタル不調になったときの会社側の損失は、目に見えない損失も含めると非常に大きいものになります。
審議の結果、どのようなストレスチェック制度が義務付けられるかは分かりませんが、世の中の会社がこの義務化をプラスにとらえて、従業員のメンヘル不調者ゼロを実現する体制づくりに繋がればよいと思います。