業務部の三浦です。
現在の日本の賃金制度は、「基本給+手当」という組み合わせで構成されるのが一般的であり、仕事基準で賃金が決定される欧米諸国と対照的な独自の制度と言えます。
この仕組みが出来たのは実は大正期で、第一次世界大戦下におけるインフレ対応や、第二次世界大戦中の大量の労働力動員の必要性と生産増強、物価安定という国家的要請とが相まって、生活保障の要素と生産刺激の要素を組み合わせて賃金が決定されるようになり各種手当が付加されていったと言われています。
インフレ、物価安定、労働力不足・・・・
なんだか最近、良く耳にする言葉ではないでしょうか?
長引くデフレ下において、時日の経過とともに形骸化したり時代に合致しなくなった手当を極力そぎ落とす(賞与原資にシフトする)方向性で進めるのが近年の賃金制度改革のセオリーだった訳ですが、仮にアベノミクスが成功し順調なインフレ曲線を辿るようになったとすれば、賃金水準の上昇をどのような形で賃金制度上吸収するのか?
ベアで吸収するのが正しいのか、賞与で吸収するのか、抜本的に制度全体を見直すのか?
もしくは同じように手当で吸収すべきなのか? 賃金主義も見直さなければならないのか?
属人的ではなく、もう少し会社にとってフレキシビリティのある有効な諸手当は作れないか? 等々。
デフレに染まった自分の固定観念を排除し、ボンヤリとでも考えていかなければなぁ・・・と思っています。