業務部の村崎です。
先日TVを見ていると、人手不足で労災が急増しているというというニュースが流れていました。
建設業や運送業を中心に人手不足の影響で労災事故が増え、今年6月までの半年間の死者が437人に上り、去年より71人も多くなっているそうです。
建設業や運送業はもともと労災事故の多い業種ですが、急激に死者数が増えた背景には、人手不足で安全管理が徹底していなかったり、十分な教育がなされていない労働者が増えていると分析されているようです。
確かに、建設業や運送業の人手不足は深刻です。ハローワークへ求人票を出してもまったく反応がない、何とか採用してもすぐに辞めてしまう、そういった悩みをよく聞きます。運送業では、人手がないためトラックを売ったという話も聞きます。
十分な人員がいないと、どうしても安全対策が疎かになります。作業指揮者を配置しなければならない現場に担当者がいなかったり、2人で行う作業を1人で行わなければならなくなったり、危険な状態で作業を行わなければならないケースも多くなります。また、折角採用した若い人に十分な安全衛生の教育ができないということも出てきます。特に今年は、3月までの消費税引き上げ前の駆け込み需要でどこの企業も忙しかったようですが、こういう時には十分に安全対策がとられていない中で仕事をしなければならないような事も多かったのではないかと思います。
厚生労働省は、250の業界団体に対して労災防止の対策を取るように緊急の呼びかけをするそうです。人手不足が背景あるのであれば簡単には改善しませんが、個々の企業や現場では、取り敢えず人手不足の中でも事故・災害を発生させないような安全の創意工夫を凝らしてゆくしかありません。