業務部の三浦です。

我々が人事諸制度構築やそれに伴う人事諸規定の作成業務を受託した場合、その仕事価値は3段階に分かれていると考えます。

Lv1:制度としての価値
Lv2:社員の能力・意欲向上を実現する価値
Lv3:会社業績の達成、経営施策の完全実施の実現する価値

仮にこれを就業規則の作成業務に置き換えれば、次のようになります。

Lv1:就業規則を作成していなかったので届出た。もしくは、法律が変わったのでコンプライアンスが守られるように就業規則を書き換えた。〔代書屋の仕事〕
Lv2:現在職場が抱えている問題等を予めリサーチしやる気や安心感を創出するような就業規則を作成・改定し、従業員説明会を実施し、実際、従業員がその規則を信用している。(コンサルの仕事)
Lv3:就業規則の作成・改定前後で明らかに従業員の働き方、取り組み姿勢が会社が期待する良い方向に変わった。(高度なコンサルの仕事)

Lv2やLv3の領域を実現するためには、規則の中に業績評価や体系的賃金制度等、人事制度の領域(仕掛け)を組み込まなければなりません。
そして就業規則を構築するより前にあーでもない、こーでもないと納得いくまで顧問先と効果的な議論を行う必要があります。
更に作成後の運用支援もとても重要になります。

Lv2やLv3を期待する会社から人事制度構築業務をお受けする場合、それを実際に規定化することができるのは着手してからずっと先になります。
途中でゼロベースに戻ってやり直すことも頻繁にあります。
いきなり条文の打ち合わせなどできるはずがありませんし、もしそれができるのであればそれはLv1の仕事です。

Lv1とLv2、Lv2とLv3のGAPが正に仕事の「付加価値」と呼ばれるものです。
もちろん、Lvが上がるほど失敗するリスクも大きくなります。

付加価値が高い仕事ほど高いFeeを受けることができますし、Lv1で高額のFeeを受けるのであればそれはまさにボッタクリに近いものがあります。
もしくは仕事の価値ではなく、「作業量」で高いFeeを頂くかです。

顧客が求めるLvに応じた仕事に誠実に取り組んでいきたいと思います。