業務部の村崎です。
年末になって今年1年を振り返ることが多い今日この頃ですが、今年は例年になく色々と深刻な相談が多い年だったように思います。特に担当することの多い労働災害については、重大災害や難しい相談が多い1年でした。死亡事故の相談も久しぶりに数件ありましたし、精神疾患や過労死といった案件もありました。最近では、相談件数や労災保険関係の処理件数をカウントしていませんが、全国統計の傾向を反映して、我々の手がける案件も年々減少しおり、死亡災害など滅多にないのが現状なのに、どういうわけか今年だけ突出して多かったように思います。
1年間に労働災害で死亡される人は、ここ2年は、全国で年間1200人を割り込んでおり、今年は震災が原因で亡くなられた人(11月現在1023人)を除けば、10月末時点で14.5%も減少して749人となっています。もしかすると初の1000人割れも期待できる状況となっています。そんな中、複数の死亡案件を受けるというのはあり得ないことです。
通常、労働災害についての報告を受けると労災保険の手続きに必要な書類を作成して会社にお渡しします。また、必要に応じて安全衛生関係の報告書の作成や安全対策についてのアドバイスをさせていただいています。スムーズに処理すると感心されることもありますが、どのような複雑な案件でも難しいものはありません。いずれにしても、事務処理が中心で、災害現場で被災者の救護や監督署の担当者と対応するわけではありませんので、処理方法さえわかってさえいれば、簡単に対応できます。
それに対して、会社で事故処理を担当される方や安全担当者は大変です。負傷の程度が軽微な災害でも、事故報告書を作成し、災害原因を調べ、再発防止対策を考えなければなりません。症状が重篤だったり、転落災害や機械による挟まれ・巻込まれなどになると、病院への搬送から警察、監督署への対応など様々ことに対応しなければなりません。死亡災害ともなると、残された家族の方への対応など大変な問題が出てきます。ケガをされた方や亡くなられた方とその遺族にとってはもちろんのことですが、会社の社長さんや安全担当者にとっても労災事故というのは厭なものだと、今年はつくづく実感しました。来年は、できるだけ報告いただく災害がないように祈っています。