淀川労務協会 業務部の三浦です。
新年あけましておめでとうございます。
本年も淀川労務協会および本ブログをよろしくお願い致します。
今年最初のブログは私が担当させて頂きます。
当協会では業務で得た知識や情報を全員に発表する「事例報告会」等、様々な社内勉強会を継続して行っています。
社会保険を含め人事労務管理の領域は非常に広範多岐にわたるため1人が全てを広く深く掌握することは困難であり、社内勉強会は知識・情報の効率的な収集と共有化、平準化、またそれによる組織力のupに非常に役立っています。
昨日は労務のトラブル事例をDVDで観た後に「トラブルを起こさないためにどう予防すべきであったか」、「起こってしまったトラブルをどのように解消に導くべきか」等を外勤職員で議論する「外勤勉強会」が行われました。
そのDVDの内容を簡単に申しますと、
1)「セクハラ被害を受けているので会社を退職したい」と女性社員が申し出て来たため、その加害者とされる男性社員に確認したところ否認した。
2)加害者とされる男性社員は会社に欠かせない戦力であったため、それ以上の調査(事情徴収)を進めることなく女性社員の退職を安易に受理しようとした。
3)女性社員は所謂、「臭いものには蓋をせよ」と言わんばかりの会社のこの対応に腹を立て、退職を撤回し徹底的に戦うと言ってきた。
・・・・という、所謂最悪のケースです。
労務管理の領域でもセクハラやパワハラは非常に難しい問題であり、特に中小零細企業では最終的な「配転」という手段も使えないことが多く、ハラスメント問題が複雑化・長期化しやすい傾向にあります。
ただそれでも予防・解決にはセオリーがあります
それは共通して「会社が双方に公平な立場で親身になって対処する」ということです。
ハラスメントの問題は当初は主に被害者・加害者の二者間に怒りのベクトルが存在します。
問題がこじれるほとんどのケースではその怒りのベクトルが会社にも大きく向いた「三角関係」になってしまっています。
逆に会社が親身に対応したことで問題が早期解決するケースもあります。
労働者はハラスメントに対して会社に職場環境配慮義務(※)が課せられていることをよく知っています。
勿論、会社は警察ではありませんので白黒を追求するような厳格な調査は必要ありませんが、少なくとも「時間や労力を惜しまず当事者意識をもって問題と精一杯向き合っている」という姿勢を魅せる必要があるでしょう。
(※)職場環境配慮義務:「事業主は雇用契約上、従業員に対し業務の提供に関して良好な職場環境の維持確保に配慮すべき義務を負い、職場においてセクシャル・ハラスメントなど従業員の職場環境を侵害する事件が発生した場合、誠実かつ適切な事後措置をとり、その事実にかかる事実関係を迅速かつ正確に調査すること及び事実に誠実かつ適正に対処する義務を負っているというべきである」(仙台セクハラ事件 平13・3・26仙台地裁)