淀川労務協会の木村(朋)です。
さっそくですが、皆さんは『労働生産性』という言葉をご存知ですか?
労働生産性とは、労働者一人あたりにつき、どれだけの付加価値を生み出したかどうかを測る尺度のことです。
会計上では「付加価値生産性」とも呼ばれますが、経営者の方であれば各種の生産性指標の中でも特に注目する指標のひとつだと思います。
ちなみに労働生産性の具体的な算出方法は次のとおりです。(他の等式もありますがここでは割愛します。)
・労働生産性=生産量(付加価値)÷労働量(従業員数)
さて、先日2/16に日本生産性本部より「2011年版 労働生産性の国際比較」の調査研究結果が発表されました。
その結果によると、日本の労働生産性は68,764ドル(766万円/2010年)でOECD加盟34カ国中第20位。第3位の米国は102,903ドルです。
ということは、仮に米国の労働生産性を100とした場合、日本は67程度となります。
毎日の仕事をがんばっているつもりでも、いかに日本人一人当たりの生産性が低いかが分かりますね。
これを1日8時間労働としてみると、日本人は1日12時間働いてようやくアメリカ人に追いつくことになりますが、毎日4時間の残業だと考えるとなんとなく納得してしまいました。
「残業代の負担をいかにして減らすか」というご相談をよくお受けするのですが、残業の事前申請制度を導入してみたり固定残業手当を組み入れてみたりと、どうしても小手先の手段で対応しがちです。
しかしながら、これでは根本的な対策にはならないことは明らかです。
やはり、ひとりひとりの生産性を高めて、これまでよりも短い時間で多くのアウトプットを生み出すことで、結果的に残業代が減るという順序が王道であると思います。
それができれば苦労しないよ!との声が聞こえてきそうですが、この部分にメスを入れられないのであれば、どのような対策を施しても結局は残業代は減らないと思いますし、企業としての競争力も徐々に衰退していくことは目に見えています。
ワークライフバランスの観点からも、どうしたら我が社の労働生産性が高まるかについて少し考えてみませんか?