業務部の松井です。
「努力逆転の法則」というのがあります。
1.野球のピッチャーが満塁でストライクを投げようとしていても、ボールばかり投げてしまいファーボールを出してしまう。
2.ゴルフで右側の池に入れないでおこうと意識すればするほど、吸い込まれるようにボールが池に入ってしまう。
3.緊張せずにうまく講演をしようと思えば思うほど緊張してしまう。
4.夜眠られず、眠ろうとすればするほど逆に眠れなってしまう。
5.この病気は絶対治すぞと思えば思うほど悪化してしまう。
このような経験は誰でもあるかと思います。
つまり頑張ろうとすればするほどその逆の方向に行ってしまう現象を、「努力逆転の法則」といい、フランスのエミール・クーエという研究者が提唱しました。
内容は
① 意志と想像力が対立する場合、勝つのは常に「想像力」。例外はない。
② 意志と想像力が対立する場合、「想像力」は意志の2乗に比例する。
③ 意志と想像力が同調する場合、生ずる力積は両者の積。
つまりゴルフで例えると、「同伴者に迷惑かけてはいけないなー。早くプレーしないと。そして池に絶対入れないでおこう。」と強い意志を持てば持つほど、自分の心の奥底では池に入れてしまう軌道が知らないうちにイメージされていて、その方向に打ってしまうようになるようです。
心身ともにコンディションが良く自信がありリラックスしている場合は、意志と想像力(イメージ)が同調して、「よし、やるぞー」と思って頑張ると、1~3のような場合でもうまくいくかもしれませんが、そうでない場合はうまくいかない場合が多いそうです。
よくオリンピックに参加する選手が、「オリンピックに参加して雰囲気を楽しんできます。」と言うことがあります。
重鎮の評論家から「不謹慎だ。国を背負っていくのだからそんな気持ちではだめだ。」と批判を受けることがありますが、選手からするとリラックスして楽しむくらいの気持ちで行く方がいいイメージができて、自分の実力が十分発揮できることを知っていて言っているのではないかと思います。
仕事に例えますと
① 営業マンで「今月絶対売り上げ目標を達成するぞ」と数字ばかり意識しすぎると、意気込み過ぎて逆にお客に引かれ、契約が取れなくなったりすることがあります。
② ある工場で「無事故災害を今月は必ず達成するように」、とはっぱをかけすぎると、かえって事故の件数が増える場合があります。
③ うつ病等の精神疾患で休んでいる従業員に、「君が早く復帰してくれないと困るんだ。頑張って早く治してほしい」と上司が言うとよけい病状が悪化したりします。
意志はあるのですがそれにイメージが同調していないと、努力逆転の法則につながってしまいます。
いいイメージを持つためには、心に余裕があり、リラックスできる状態が大切です。
今の時代は、パソコン、ケータイ電話、メール、テレビゲーム等、さまざまな電子機器類に我々の日常生活も振り回され、時間に余裕のない状態で日々仕事をしており、十分リラックスできる状態とはいえないかもしれません。
たまに電車が少し遅れただけで、駅員に怒鳴り散らしているサラリーマンを見受けます。多くの方がストレスをたくさん持っています。
いい仕事をするためには心に余裕を持ち、リラックスし、いいイメージを常に持つことが重要だと思いますが、自分でも日々の仕事に追われ、実行できていないのが現状です。
皆さんも一度自身を振り返っていただいて、リラックスできているかどうか確認してください。