業務部の長谷川です。
7月から、関西の各電鉄での携帯電話の電源OFFに関するルールが変更されたのは、
ご存知でしょうか。
私は、通勤に阪急電車を利用しているのですが、以前は携帯電話電源OFF車両というのが設けられ、
その車両に乗った乗客は、携帯電話の電源を切らなければならない、という決まりがありましたが、
この7月からは、電源OFF車両というのが廃止され、「混雑時だけ優先座席付近では電源を切る」
というルールに変更になりました。
その他の電鉄会社でも、「優先座席付近では電源を切る」等の決まりがありましたが、
「混雑時のみ」に限定されることになりました。
この「電源を切らなければならない」、という決まりは、携帯電話の電波が心臓ペースメーカーの
誤作動を誘発するため、として2000年代前半くらいから設けられたようですが、
誤作動を誘発する恐れがあるとされていたのは、数ある携帯電話の機種のうちほんの数種のみで、
しかも3cmとかなり間近な距離まで携帯電話を近づけた際に、ペースメーカーの脈動が1拍ほどなくなる程度で、
すぐに正常に戻るレベルのようです。
また、これまで誤作動を起こしたという例は1件も報告されていないそうです。
このような実態を踏まえて、関西各線で「混雑時のみ」優先座席付近では電源をOFFにする、というルールに
一律で変更となりましたが、この携帯電話の電波がペースメーカーにあまり影響しないのではないか、ということは、
15年ほど前から言われており、私も大学時代の講義で「実験結果として影響がほとんどなかった。」と聴いたことがあります。
今回のこのルール変更で感じたことは、確証のないことであっても一度制度化され、社会に広く認知されてしまうと、
変更するまでにかなりの年月を要するのだということです。
実際にペースメーカーを使用されている方は、長い間携帯電話が悪影響を及ぼすと認識していたにも関わらず、
「あまり影響がないので大丈夫です。」と言われたところで、急に不安は払拭できないのではないでしょうか。