フリーランスについては、多様な働き方の拡大、ギグ・エコノミー(インターネットを通じて短期・単発の仕事を請け負い、個人で働く就業形態)の拡大による高齢者雇用の拡大、健康寿命の延伸、社会保障の支え手・働き手の増加などに貢献することが期待されています。
令和2年7月に閣議決定された成長戦略実行計画において、フリーランスとして安心して働ける環境を整備するため、政府として一体的に、保護ルールの整備を行うこととされました。
事業者とフリーランスとの取引について、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、下請代金支払遅延等防止法、労働関係法令の適用関係を明らかにするとともに、これら法令に基づく問題行為を明確化するため、実効性があり、一覧性のあるガイドラインについて策定することとし、今般、「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」(案)が作成されました。
下記に概要のうち、労働関係法に関連する部分を抜粋して掲載致します。
詳細は下記サイトよりご参照ください。
<第5 現行法上「雇用」に該当する場合の判断基準>
1 フリーランスに労働関係法令が適用される場合
○ フリーランスとして請負契約や準委任契約などの契約で仕事をする場合であっても、労働関係法令の適用に当たっては、契約の形式や名称にかかわらず、個々の働き方の実態に基づいて、「労働者」かどうか判断。
〇 労基法上の「労働者」と認められる場合は、労働基準法の労働時間や賃金等に関するルールが適用される。
〇 労組法上の「労働者」と認められる場合は、団体交渉を正当な理由なく拒んだりすること等が禁止される。
2・3 労働基準法における「労働者性」の判断基準とその具体的な考え方
(1)「使用従属性」に関する判断基準
①「指揮監督下の労働」であること(労働が他人の指揮監督下において行われているか)
②「報酬の労務対償性」があること(報酬が「指揮監督下における労働」の対価として支払われているか)
(2)「労働者性」の判断を補強する要素
①事業者性の有無(仕事に必要な機械等を発注者等と受注者のどちらが負担しているか等)
②専属性の程度(特定の発注者等への専属性が高いと認められるか。)
4・5 労働組合法における「労働者性」の判断要素とその具体的な考え方
(1)基本的判断要素
①事業組織への組み入れ(業務の遂行に不可欠ないし枢要な労働力として組織内に確保されているか)
②契約内容の一方的・定型的決定(労働条件や労務の内容を相手方が一方的・定型的に決定しているか)
③報酬の労務対価性(労務供給者の報酬が労務供給に対する対価などとしての性格を有するか)
(2)補充的判断要素
④業務の依頼に応ずべき関係(相手方からの個々の業務の依頼に対し、基本的に応ずべき関係にあるか)
⑤広い意味での指揮監督下の労務提供(労務供給者が、相手方の指揮監督の下に労務の提供を行っていると広い意味で解することができるか等)
(3)消極的判断要素 (この要素が肯定される場合には、労働組合法上の労働者性が弱まる場合がある)
⑥顕著な事業者性(恒常的に自己の才覚で利得する機会を有し自らリスクを引き受けて事業を行う者か)
■フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン(案)<概要>
https://www.mhlw.go.jp/public/bosyuu/iken/dl/flguideline-01b.pdf
■フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン(案)<本文>
https://www.mhlw.go.jp/public/bosyuu/iken/dl/flguideline-01a.pdf