国税庁は6月21日、「税務行政の将来像」に関する最近の取組状況 ~ スマート税務行政の実現に向けて ~を公表した。

中長期的に国税庁が向かうべき将来像を明らかにし、そこに向けて着実に取り組んでいくことが重要とし、このため、平成29年6月に、「税務行政の将来像」を取りまとめ、公表している。「将来像」は、おおむね10年後のイメージを示したもので、ICTの活用による「納税者の利便性の向上」と「課税・徴収の効率化・高度化」を柱として、「スマート税務行政」に進化していくことを示している。
今回は、将来像の公表から約2年が経過したことを踏まえ、これまでの間に実現又は具体化した取組や今後の課題を改めて整理した上で、最近の取組状況として、主なものを紹介している。

特に数年内に予定されている取組で注目されるものを下記にご紹介します。

 

①年末調整手続の簡便化(p6)

ICTの活用による年末調整手続の簡便化のため、年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)(※)を無料で提供します。 【令和2年10月導入予定】
・ 作成可能な年末調整関係書類は、①保険料控除申告書、②住宅借入金等特別控除申告書、③扶養控除等(異動)申告書、④配偶者控除等申告書。
(注)上記申告書のほか、令和2年分以降の年末調整において追加される基礎控除申告書及び所得金額調整控除申告書についても対応予定。
・ 従業員は、国税庁ホームページから年調ソフトをダウンロードして利用可能(なお、勤務先がダウンロードした年調ソフトを従業員に配付して利用することも可能)。
→ 上記の①、②については、従業員が、保険会社等から入手した控除証明書等のデータを年調ソフトに取り込めば、控除申告書の所定の項目に自動入力(簡便・正確に控除申告書データを作成)。
→ 内容確認後、従業員はそのまま勤務先にオンライン提出可能。
※ 年調ソフトの仕様公開を通じ、民間ベンダー等が提供している給与システム等の開発も促進。

 

②企業が行 う手続の オ ンラ イ ン ・ ワ ン ス ト ッ プ化(p9)

○ 法人設立オンライン・ワンストップ
これまで縦割り・バラバラだった手続をマイナポータルを活用してワンストップ化を実現。
-令和元年度中:設立後の手続についてワンストップサービスを開始。
-令和2年度中:設立時の手続(定款認証・設立登記)も含めたワンストップサービスを開始。

○ 企業が行う従業員のライフイベントに伴う社会保険・税手続のオンライン・ワンストップ
従業員の採用、退職等のライフイベントに伴う社会保険・税手続等について、令和2年11月頃から順次、マイナポータルのAPI※を活用したオンライン・ワンストップ化を開始する。

詳細は下記サイトをご参照ください。

 

■「税務行政の将来像」に関する最近の取組状況 ~ スマート税務行政の実現に向けて ~ 国税庁

http://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2017/syouraizou/pdf/syouraizo_r0106.pdf