今国会で「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案」が提出され検討されることになっています。

 

■健康保険法等改正案では、特に下記の点が注目の内容です。

①傷病手当金の支給期間の通算化 【健康保険法、船員保険法】 (※令和4年1月1日施行予定)
・傷病手当金について、出勤に伴い不支給となった期間がある場合、その分の期間を延長して支給を受けられるよう、支給期間の通算化を行う。

②育児休業中の保険料の免除要件の見直し 【健康保険法、船員保険法、厚生年金保険法 等】                    (※令和4年10月1日施行予定)
・短期の育児休業の取得に対応して、月内に2週間以上の育児休業を取得した場合には当該月の保険料を免除するとともに、賞与に係る保険料については1月を超える育児休業を取得している場合に限り、免除の対象とすることとする。

 

■育児介護休業法等改正案では、特に下記の点が注目の内容です。

①男性の育児休業取得促進のための子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設 【育児・介護休業法】     (※公布日から1年6月を超えない範囲内で政令で定める日で施行予定)
子の出生後8週間以内に4週間まで取得することができる柔軟な育児休業の枠組みを創設する。
・休業の申出期限については、原則休業の2週間前までとする。 ※現行の育児休業(1か月前)よりも短縮
・分割して取得できる回数は、2回とする。
・労使協定を締結している場合に、労働者と事業主の個別合意により、事前に調整した上で休業中に就業することを可能とする。

②妊娠・出産(本人又は配偶者)の申出をした労働者に対して事業主から個別の制度周知及び休業の取得意向の確認のための措置を講ずることを事業主に義務付ける。 (※令和4年4月1日施行予定)

③育児休業の分割取得  (※公布日から1年6月を超えない範囲内で政令で定める日で施行予定)
・育児休業(①の休業を除く。)について、分割して2回まで取得することを可能とする。

④育児休業の取得の状況の公表の義務付け  (※令和5年4月1日施行予定)
・常時雇用する労働者数が1,000人超の事業主に対し、育児休業の取得の状況について公表を義務付ける。

⑤有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和 (※令和4年4月1日施行予定)
・有期雇用労働者の育児休業及び介護休業の取得要件のうち「事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者」であることという要件を廃止する。ただし、労使協定を締結した場合には、無期雇用労働者と同様に、事業主に引き続き雇用された期間が1年未満である労働者を対象から除外することを可能とする。

⑥育児休業給付に関する所要の規定の整備 【雇用保険法】                                     (※公布日から1年6月を超えない範囲内で政令で定める日(ただし、2つ目の「・」については公布日から3月を超えない範囲内で政令で定める日)で施行予定)
・1及び3の改正を踏まえ、育児休業給付についても所要の規定を整備する。
・出産日のタイミングによって受給要件を満たさなくなるケースを解消するため、被保険者期間の計算の起算点に関する特例を設ける。

 

各法案とも詳細は下記サイトよりご参照ください。

 

■全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案の概要

https://www.mhlw.go.jp/content/000733601.pdf

・法律案要綱

https://www.mhlw.go.jp/content/000733602.pdf

・法律案案文・理由

https://www.mhlw.go.jp/content/000733603.pdf

 

■育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案の概要

https://www.mhlw.go.jp/content/000743975.pdf

・法律案要綱

https://www.mhlw.go.jp/content/000743976.pdf

・法律案案文・理由

https://www.mhlw.go.jp/content/000743977.pdf

 

(出所)第204回国会(令和3年常会)提出法律案

https://www.mhlw.go.jp/stf/topics/bukyoku/soumu/houritu/204.html