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2011.8.1 Since 2011
~ 転ばぬ先の労務管理メルマガ~
淀川労務協会 “実録”
労務 虎の巻 第3号
毎月1回配信
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Point1.『関西最大級の規模』
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Point3.『50年の実績と信頼 ~労務に一途~』
“本当の人事労務問題解決力”を貴社に提供する労務管理のリーディングオフィス
― 淀川労務協会 - です。
https://yroukyou.wpx.jp/
このメールマガジンでは、私どもがこれまで顧問サービスとしてご提供し
てきた人事・労務・社会保険等に関する事例や情報の中から、特に皆様に
知って頂きたい事例を毎回2ケース厳選しご紹介させて頂いております。
――――目次―――――――――――――――――――――――――――
【ケースNo.5】 [ 賃金 ] 失踪者に対する賃金支払
【ケースNo.6】 [ 年金 ] 癌に罹患した場合の障害年金について
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【ケースNo.5】
無断欠勤が続いていた者が失踪し行方がわからなくなりました。
この場合当社の退職金規定では通常退職者の1/3を支給する旨が定められてい
ますが本人の行方がわからず払いたくても払えません。
どうすれば良いでしょうか?
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賃金は、「直接労働者に」支払わなければなりません。(労基法24条1項)
但しこの例外として単なる意志伝達者としての「使者」(一般的には配偶者や父母)
に支払うことは認められていますが、行方不明の場合は親族等が本人の使者で
あると確認する術がありませんのでこれも不可能です。
この場合、支払遅延等のリスクを回避するために法務局等の供託所に供託する
のが一般です。
供託とは退職金を法的に供託所に保管してもらい、後日本人が受けとれるように
なったときに退職金を供託所から受領するという方法です。
この方法により、会社は退職金支払いの債務不履行のリスクを回避することがで
きます。
もし本人が現われない場合には退職金債権の時効である5年を経過した時点で
法務局に閲覧請求し本人の受取り有無を確認し、受け取りしていなければ預けた
退職金の取戻請求を行うことが可能です。
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【ケースNo.6】
癌に罹患しましたが病状によっては障害年金を貰えることもあるのでしょうか?
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障害年金は原則として障害認定日(初診日から1年6カ月を経過した日またはそ
れ以前で症状が固定した日)に障害の状態にある場合に支給されます。
障害の程度は1級から3級(国民年金では1級から2級、3級は厚生年金のみ)ま
でに分けられ、国民年金法施行令や厚生年金法施行令で具体的に級ごとの障
害の状態が明示されています。
大まかな判断基準でいうと、1級は身体の機能の障害または長期にわたる安静
を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能なからしめる程度とされ
ており、他人の介助がなければ日常生活ができない状態となった場合に該当し
ます。
2級は、日常生活が著しい制限をうけるかまたは日常生活に著しい制限を加える
ことが必要とする程度とされ、他人の介助は必要ないが、日常生活は極めて困難
で、労働により収入を得ることができない程度のものをいいます。
3級は、労働が著しく制限を受ける程度の障害の状態に該当します。
また、詳細な認定基準として「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」が設けら
れており、身体の各部位ごとの認定基準が定められています。
癌については、この認定基準の第16節で「悪性新生物」として障害の程度が設定
されていますが、他の傷病による障害と異なり、全身に発生し病状が様々である
ことから、「認定にあたっては組織所見とその悪性度、一般検査及び特殊検査、
画像診断等の検査成績、転移の有無、病状の経過と治療効果等を参考とし、認
定時の具体的な日常生活状況等を把握して、総合的に判断する」とされています。
しかし、実際に癌に罹患された方が障害年金を申請されるケースは、その患者数
に比べれば決して多くはありません。
これは、癌という疾病の特徴で、早期に発見され完治すれば障害等級に該当する
ような程度の障害にならず、逆に進行した状態で発見されると障害認定日(初診
より1年半)を待たずに亡くなられ、請求されることがないという事情があります。
また、癌と診断されたが、手術や抗癌剤等でよくなり、その後また再発されたよう
な方で障害等級に該当するような状態にありながら、申請をされていないケースが
あるものと思われます。
癌以外にも内部疾患などの場合に、障害認定日には1級から3級の障害の状態に
該当しなくても、その後に症状が悪化して障害の状態となるケースがありますが、
このような場合には「事後重症」ということで障害年金を請求することができます。
「事後重症」は、障害認定日に1級から3級の障害の状態に該当しない場合であっ
ても、障害認定日から65歳に達する日の前日までの間に1級、2級或いは3級の障
害の状態に該当したときは、65歳に達する日の前日までに請求を行えば障害年金
が支給される制度です。
もし、再発等で症状が悪化し、労働が制限される、日常生活に支障がでる、或いは
誰かの介助が必要な状態になったというような場合には、その時点でも障害年金
の請求ができますので、忘れずに手続きを行ってください。
尚、咽頭がんによる咽頭部摘出や、直腸がんによる人工肛門造設、膀胱がんによ
る新膀胱造設や尿路変更の施術を受けた場合は、1年半の経過を待たず施術日
が障害認定日となります。
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☆本件についてのお問い合わせは淀川労務協会コンサルティング業務部門
までお願いします。
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