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2011.11.2                       Since 2011

~ 転ばぬ先の労務管理メルマガ ~

淀川労務協会  “実録”  労務 虎の巻  第6号

毎月1回配信
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Point1.『関西最大級の規模』

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このメールマガジンでは、私どもがこれまで顧問サービスとしてご提供し
てきた人事・労務・社会保険等に関する事例や情報の中から、特に皆様に
知って頂きたい事例を毎回2ケース厳選しご紹介させて頂いております。

――――目次―――――――――――――――――――――――――――

【ケースNo.11】 [就業規則]   就業規則の意見書への署名拒否

【ケースNo.12】 [時間外労働]  勝手な残業に対する賃金支払義務

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【ケースNo.11】

就業規則を新たに制定する為、従業員代表に意見を求めたところ規則の内容に
納得がいかないとして意見書への署名を頑なに拒否され続けています。
どうすれば良いでしょうか?

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労働基準法第90条では「使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事
業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組
合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数
を代表する者の意見を聴かなければならない。」と定められており、常時10人以上
の労働者を使用する使用者は労働組合又は労働者を代表する者の意見書を添え
て就業規則を労働基準監督署に届け出なければなりません。

つまり意見書添付の無い就業規則は原則として監督署に受理されないということに
なり、ご相談頂いたような使用者に届け出の意思があるにも関わらずそれが叶わな
いという事態が生じることも想定されます。

この様な問題に対応するため行政通達では「労働組合又は労働者の過半数を代表
する者の意見書に労働者代表の署名押印がないことを理由として受理しない向もあ
るようであるが、労働組合が故意に意見を表明しない場合又は意見書に署名押印
しない場合でも、意見を聴いたことが客観的に証明できる限り、これを受理するよう
取り扱われたい。(S23.5.11 基発第735号、s23.10.30 基発第1575号)」と示して
おり、どうしても意見書作成に応じて貰えない場合にはその経緯を説明した「意見書
不添付理由書」等を添付し、客観的に意見を聴いたことを証明することで届出が可
能となります。

とはいうものの、就業規則は一般的に「働くためのルール(権利と義務)」を定めるこ
とにより従業員に安心して能力を発揮して貰うことを目的として制定するものであ
り、従業員代表の意見(合意ではない)さえ得られない就業規則が有用に機能する
とは到底思えません。
また、規則を強引に届け出ることで労使の溝が更に深まることも考えられます。

争点となっている条文については規則届出後も継続協議することを約束するなど
し、使用者は例え時間と労力がかかろうとも粘り強く労働者代表と協議を重ねられ
ることをお勧め致します。

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【ケースNo.12】

時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)の有効期限が迫り労働者代表と協
議を重ねてきましたが期限までに妥結できそうにありません。
そこで、同協定が締結されるまでの時間外労働及び休日労働を禁止する旨の業務
命令を使用者名にて発し、どうしても避けられない残業がある場合には役職者(管
理監督者)に引き継ぐことを執拗に明示しました。
この命令に反し時間外・休日労働を行っている者が発覚した場合、その超過勤務部
分については賃金を支払わなければならないのでしょうか?

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労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下にある時間をいいます。
したがって、使用者の明示の残業禁止の業務命令に反して、労働者が時間外・休
日勤務を行ったとしても、これを賃金算定の対象となる労働時間と解することは出来
ないとされています。
(h17.3.30 神代学園ミューズ音楽学院事件 東京高判・労判905号)

ご相談では残業禁止が厳格に明示されているように解されますが、例え明示した事
実が過去にあったとしてもこれが形骸化し杜撰な管理体制の上で労働者の自己判
断による残業が継続的に行われていたような場合には、時間外労働を行うことに対
する使用者の黙示の合意があったものと見做し、残業代の支払い義務が生じること
も考えられますのでご注意ください。

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☆本件についてのお問い合わせは淀川労務協会コンサルティング業務部門
までお願いします。
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